北欧デザインの巨匠、ポール・ケアホルム。
彼の作品といえば、スチール素材と自然素材を組み合わせた、厳格なまでの美しさと機能性を備えた名作が揃います。
その中で、ひと際存在感を放ち、ケアホルムの本質を体現している2つのダイニングチェア、それが今回ご紹介する「PK8」と「PK9」です。
共にフリッツ・ハンセン社で製作され、ケアホルムの美学が凝縮されたこの2脚は、一見すると似たシルエットを持ちながらも、誕生の背景や構造、そして座り心地にはそれぞれ異なる魅力がございます。
現在当店にて「PK8」および「PK9」を展示しておりますので、その特徴と違いをご紹介させて頂きます。
※展示状況は都度変更となりますため、ご来店の際にはお問い合わせ頂けますと幸いです。
■共有する美学:空間に「余白」を生む、完璧な三本脚
2つのチェアに共通する最大のアイコン、それが「三本脚」の構造です。
ケアホルムは、床の状態に左右されず常に安定する「三本脚」を好んでデザインに採用しました。多くのダイニングチェアが四本脚であるのに対し、脚が一本少ないだけで視覚的な軽快さがもたらされ、空間の床面積が広く感じられます。ダイニングルームに圧迫感を与えず、美しい「余白」を生み出すのは、ケアホルムならではの計算し尽くされた構造によるものです。
しかし、この三本脚の仕立て方において、PK8とPK9は全く異なるアプローチを取っています。
■PK8:半世紀の時を経て形になった、彫刻的な一体成型シェル
「PK8」の物語は1978年に遡ります。
この椅子は、ケアホルムが愛する妻であり建築家のハンナ・ケアホルムのため、同年にデザインした天板がコルクタイプのテーブルと合わせることを前提に手がけられたものでした。
当時、彼が残したのは手作りのプロトタイプのみで、長年ケアホルム家の食卓を彩るプライベートな存在でした。しかし2007年、フリッツ・ハンセンとハンナ夫人の協力により当時の意匠を忠実に再現し、ついに製品化されたというドラマチックな背景を持っています。
【PK8の特徴】
〇一体成型のバケットシェル: 背もたれと座面が緩やかなカーブを描きながら一体となっており、身体に寄り添うような心地よいホールド感を生み出します。
〇素材の絶妙なコントラスト: シェルの背面には滑らかなプラスチック、前面には上質なレザーを施すことができます。
〇脚部とシェルの関係: フロントからバックへと流れるようなアルミニウムのラインで構成された脚部は、座面裏で溶接されており、突起状の部材でシート全体をしっかりと支えています。どの角度から見ても隙のない、彫刻作品のような佇まいが魅力です。
■PK9:空中に浮かぶような「浮遊感」
一方、1960年にデザインされた「PK9」は、ケアホルムの代表的なダイニングチェアとして知られています。
一見すると非常にシャープで近代的なデザインですが、その根底には自然界の心地よい形がサンプリングされています。
【PK9の特徴】
3本のスチールが織りなす弾力: 脚部を構成する3本のスチールサテンクローム仕上げは、地面から座面に向かって美しい「曲線を描いて」立ち上がっています。このスチールの独自の形状により、腰掛けた際に独特なしなやかさとクッション性が生まれます。
「浮遊感」を演出するディテール: 3本の脚とレザー座面の間には黒いパーツが挟み込まれており、座面が脚から少し浮き上がったような視覚的効果(抜け感)を持たせています。
ロッキングするような唯一のかけ心地: 座面そのものはゆったりと深くデザインされております。また、脚の形状ゆゆえ、掛けたときにはロッキングするかのような独特なしなりのあるかけ心地となります。
■ PK8 / PK9 各々に最適なデザイン・ディテールの違い
同シリーズのような美しい親和性を持つ2脚ですが、細部を比較してみると、ケアホルムが素材と構造に対してどれほど実直に向き合っていたかが分かります。
【脚部の素材と構造】
〇PK8: 脚部には「アルミニウム」を採用。フロントからバックへ流れるようなフラットなラインが特徴で、座面裏の突起でシェルをダイレクトに支える、力強くもエレガントな構造です。
〇PK9: 脚部には「スチール(サテンクローム仕上げ)」を採用。3本のスチールの真ん中には黒いパーツが挟み込まれ、芯の部分が空洞になっています。このスチールの曲線そのものが、座った時の前後左右の動きに追従するクッション性を生み出しています。
【座り心地の方向性】
〇PK8: バケット状の一体成型シェルによる、ホールド感のあるしっかりと安定した座り心地。
〇PK9: スチール特有のしなりを活かした、「空中に浮いている」かのような独特の浮遊感としなやかな座り心地。
「構造そのものがデザインである」というケアホルムの強い信念が、それぞれ最高の形で表現されています。
どちらのチェアも、単体で置けばアートピースのような圧倒的な存在感を放ちます。
例えば、同じくケアホルムがデザインした円形テーブル「PK54」や、大理石や御影石といった自然素材の天板と合わせることで、モダンでありながらも非常に親密で調和のとれた、当店が理想とする「ノルディック・ラグジュアリー」なダイニング空間を作り出すことができます。
PK8とPK9では、見た目のディテールはもちろん、座った時の体感が大きく異なります。ご検討の方はぜひ一度、当店の静謐な空間の中で2つの座り心地をじっくりと座り比べてみてください。ご自身のライフスタイルに寄り添う一脚が見つかることと思います。
当店DANSK MOBEL GALLERY(ダンスク ムーベル ギャラリー)は、インテリアコーディネートをはじめ、ポール・ケアホルムの家具を多数揃えるフリッツ・ハンセンの他、ハンス・J・ウェグナーの名作家具を製作するPPモブラー、デンマークの照明メーカー ルイスポールセンなどをお取り扱いする正規代理店でございます。
家具・照明・カーテン・ラグ・アートなど、インテリアに合わせてトータルにご提案をさせて頂きます。インテリアコーディネートやサイズ・使い心地など気になる事がございましたら、どうぞお気兼ねなく店舗までご相談・お問い合わせくださいませ。
尚、現在店舗は完全予約制でございます。ご来店をご希望の方は、こちらのページもしくはインスタグラムのDMにてご連絡くださいませ。
【インテリアコーディネート】
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DANSK MØBEL GALLERY(ダンスク ムーベル ギャラリー)
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