李 禹煥 リ・ウーファンの絵画展示のご案内

当店に李禹煥(リ・ウーファン)さんの絵画の展示を開始いたしましたのでご紹介いたします。

待ちに待った展示です。

李禹煥:「照応」98-3

李 禹煥 (リ・ウーファン)さんについて

1936年大韓民国生まれ。日本を拠点に世界的に活動している美術家です。

彼は幼少期を釜山で過ごします。幼少期に詩と書の訓練を受けますが、これはのちに彼の作品に大きく影響を与え、原点にもなっています。

1956年にはソウル大学美術学部を中退し、日本に来日します。美術大学を中退した彼ですが、日本大学の哲学科へと進み、そこで様々な文学や、哲学、東洋思想、西洋思想などを学びました。

1960年代後半になるといくつかの展覧会に出品し、アーティストの道をスタートさせます。

そして1968年、彫刻展の関根伸夫さんと出会います。この出会いこそ、のちの「もの派」をリードしていく二人の出会いとなるのです。

彫刻家の関根伸夫さんはこの時、深さ2.7メートル、直径2.2メートルに掘られた穴と全く同じ高さ、直径でできた土の円柱で構成された「位相_大地」を発表しますが、これは「もの派」の出発点と言われています。

李禹煥さんは関根伸夫さんの影響を受け、彼を高く評価するとともに「もの派」を理論的に主導し、お互いに才能を認め合うようになります。

この二人が始めた研究会には、主義・主張によるグループではなく、偶然的に同じような仕事をしていた人たちが集まり次々に作品を発表し注目が集まりました。この中には以前ブログでご紹介した、当店に展示作品がある菅木志雄さんも含まれます。

展示絵画のご紹介

ではここで、彼の作品を説明するにあたって外すことのできない「もの派」について少しご説明します。

「もの派」とは

「もの派」とは、石・木・紙・綿・パラフィンといった〈もの〉を単体で、あるいは組み合わせて作品としたもの。もの派は芸術的運動というよりも彼らのグループにつけられた「ラベル」のようなもので命名者や起源は不明です。

「もの派」の特徴は、ほとんど手を加えずに構成されるこれらの〈もの〉の中に作者の意思を介入させることで素材同士の関係性を浮き彫りにすることが挙げられます。

すこし難しいですが、李禹煥さんの有名な割れたガラスの上に石が乗った作品を例に挙げてみます。

・偶然にでも、ガラスの上に重い石があたるとガラスが割れる=当然起こりうることです。

・そこにアーティストが介入しなければ単なる物理的なアクシデントにすぎません。

・しかし、アーティスト自らが石を置いてガラスを割ったのであれば、ガラスの割れ方自体はアーティストの意図に関係なく偶然発生する形ですが、その割れた形はアーティストがガラスの上に石を置くという行為(石を置くという意思を介入すること)をしなければ起こりえない現象です。そしてこのアーティスト・石・ガラスの関係性をもって作品となりうる、ということです。

とても哲学的ですね。

作品:「照応98-3」

当店で展示している「照応98-3」は小さな筆跡と大きな余白で作られています。これも彼が必然的に「作った部分」と「作られていない余白」がお互いの存在、関係性を呼応しあっているように思えます。また、余白が外部なのではなく、中心になって存在感を出しており、まさに「余白の美」を感じることのできる作品です。見ればみるほど好きになり、魅力が増してきます。

「もの派」ならではの静けさ、安らかさにあふれる雰囲気はまさに北欧の家具に相性がよい作品です。

ご興味がおありでしたらぜひお気軽にお問い合わせください。

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