曲線の美しさを感じる “EGG™ エッグチェア”

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自分だけの空間・時間を過ごすことができる“パーソナルチェア”。近年、国内外問わず、様々な家具ブランドにてデザイン・座り心地を追求したパーソナルチェアが展開されております。寝る前の寝室で、ゆっくり読書をする為、リビングでテレビを見る為、オーディオルームで音楽・映画を楽しむ為と、くつろぎ、集中・安心する時間の演出に、パーソナルチェアは最適です。

 

 

当店が取り扱っております各種デンマークブランドのパーソナルチェアは、数多くございます。PP Mobler社の「ハンス・J・ウェグナー」の“ベアチェア”、Fredericia社(フレデリシア社)の「ボーエ・モーエンセン」による“スパニッシュチェア”、Rud Rusmussen社(ルド・ラスムッセン社)の「コーア・クリント」による“KK43960 イージーチェア” 等、デザインから使い心地まで楽しんでいただけるものになります。

 

 

そんな数あるパーソナルチェアから、今回は デンマーク家具のアイコン的存在 「アルネ・ヤコブセン」による “エッグチェア”をご紹介させていただきます。

 

 

 

<アルネ・ヤコブセン>

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アルネ・ヤコブセン(1902年~1971年)

 

アルネ・ヤコブセンは、1902年にデンマーク・コペンハーゲンに生まれます。父親は貿易商、母親は植物が大好きな方だったそうです。そんな彼は、少年の頃から破天荒なエピソードを多く残しております。自室の派手な壁紙が嫌で、自身で真っ白に塗りつぶし父親に怒られたり、小学校時代の数学の時間に脱走、地理の授業では授業妨害、それを見兼ねた両親が彼を寄宿舎へ通わせる等、かなりやんちゃな少年時代だったそうです。そんな彼が唯一おとなしくしていたのは“絵を描いていた時”。美術の教師が、絵の才能を見込んでか、おとなしくさせる為か分かりませんが、水彩絵の具をプレゼントした事もあるそうです。

 

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寄宿舎時代のヤコブセン(一番右)

 

 

彼は生涯の中で、数多くの家具をデザインしております。全世界で愛されている“セブンチェア”、シンプルかつモダンなソファ“3300”、白鳥を連想させる“スワンチェア”等、その家具の多くは、1872年創業のデンマークブランド “Fritz Hansen”から製作・発売されております。

 

 

2012
ANT™ アリンコチェア(1952年)
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SERIES 7™ セブンチェア (1955年)
3136
SWAN™ スワンチェア(1958年)
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SERIES 3300™ (1956年)

 

 

 

<Republic Of Fritz Hansen>

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1872年フリッツ・ハンセン氏により誕生した家具ブランドです。元々はオフィス家具や造作家具のパーツをメインに作る家具会社でした。創業から今年で144年。コーア・クリントやヴァーナー・パントン、オーレ・ヴァンシャー等、これまで数多くのデザイナーとコラボレーションの上、様々な家具を生み出してきました。

 

 

チャーチチェア
チャーチチェア (コーア・クリント 1936年)
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アームチェア (オーレ・ヴァンシャー 1943年)

 

 

 

<アルネ・ヤコブセンによる建築物>

日本では、アルネ・ヤコブセン=家具デザイナーという印象が非常に強くあります。しかし、彼は様々な建物を建築する“建築家”なのです。富裕層が多くお住いのベルビュー地区・ベラヴィスタの集合住宅やガソリンスタンド、デンマーク国立銀行、オーフス市庁舎、SASロイヤルホテル等、デンマーク国内の象徴的な素晴らしい建築物が多く存在しております。

 

 

彼は、建物だけを設計するのではなく、内装は勿論、ドアノブに至るまで、当時では珍しいトータルデザインをする事が多くありました。その為、その建築物に合わせてデザインされた家具があります。アントチェアは製薬会社“ノヴォ社”の社員食堂の為、EGGチェアとSWANチェアはSASロイヤルホテルのロビーの為、リリィチェアはデンマーク国立銀行の為と、トータルデザインをするからこそ誕生した家具が多くあるのです。

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ベラヴィスタ集合住宅 (1934年)
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ベルビューシアター (1937年)
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テキサコガソリンスタンド(1937年)
デンマーク国立銀行
デンマーク国立銀行(1978年 ヤコブセン死後に完成)
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デンマーク国立銀行のファサード

 

 

 

<EGG™ というパーソナルチェア>

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2024

 

 

彼の代表作である“EGGチェア”。このEGGチェアはデンマークを代表するホテル SASロイヤルホテルのロビーの為にデザインされました。このチェアの曲線は360度、どの位置から見ても曲線に躍動感を感じさせます。座っていたくなるチェアではありますが、座らず、眺めているだけでも楽しむことができるチェアです。

 

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布張り・革張りから御作りができるこのEGGチェア。布張りでは15種の張地、それぞれ約20色以上の中から、部屋に合わせた、お好みの色で製作ができます。革張りでは、革を楽しみながら育てる“経年変化”が魅力です。

 

 

EGGチェアのレザー張りは前面に1頭、背面に1頭と、合わせて2頭分の牛革を使用します。そして、この牛革をEGGチェアに貼り付けるのに機械は使いません。約1,200針。熟練した職人による“手縫い”なのです。牛革も天然素材であるからこそ、「1台縫い終えるのにかかる時間は読めない」と、職人は語ります。部分部分で厚みが異なる事から、力の入れ方の違いは勿論、より繊細な縫込みになるそうです。素晴らしい逸品を作り出す為、慎重に・丹精込め、そして、職人が製作期間で長く長く触ることで、そこに職人の魂が宿り、オーラを纏うのではないかと、私は考えます。座られる方を想いながら、丁寧に縫い込まれるこのEGGチェアは一生ものの“パーソナルチェア”だと言えるのです。

 

ハンス氏 イベント①
当店にて、実際にEGGチェアの縫込みを頂いた際の写真です

 

 

現在、当店DANSK MOBEL GALLERYにて、製造から15年経ち、様々な方にお試しいただきました事により、美しい経年変化をしたEGGチェアを展示致しております。是非、ご来店頂き、革特有の経年変化をご覧頂ければと思います。

 

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DANSK MOBEL GALLERYにて展示中のEGGチェア

 

 

 

先月、実際にデンマークの職人が当店に訪れ、EGGチェアを完成させるイベントを実施致しました。詳しくは、こちらの記事も是非ともご覧ください。

 

 

 

 

DANSK MØBEL GALLERY(ダンスク ムーベル ギャラリー)

▽株式会社KEIZOグループ店舗
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