北欧家具にはたくさんの名作があり、どの作品も各々の素晴らしさがございます。また、椅子のかけ心地や相性は人により異なるため、「どの椅子が一番良い」と言い切ることも難しいのが正直なところです。
ただ、その中でも世界中に愛好家がおり、間違いなく最上級のランクに位置するであろう家具の一つとして、本日はハンス・J・ウェグナーの最高傑作である名作「ベアチェア(PP19)」をご紹介いたします。

※2026年2月より、ロロ・ピアーナ・インテリアのカシミヤ100%の生地を使用した特別なベアチェアを展示しています。当店のみの特注モデルでございます。

(写真 白石和弘)
ベアチェア(PP19)ならではの極上の座り心地とは
「北欧家具の王様のような存在」でもあるベアチェア(PP19)。現在はデンマークのPPモブラー社にて製造されており、正式商品名は“PP19”。デンマークを代表するデザイナー、ハンス・J・ウェグナーにより1950年にデザインされました。
数あるラウンジチェアの中でも非常に大きい作りをしており、見た目にもどっしりとしたボリュームを感じさせる佇まいです。ネイルと呼ばれる手のひらを置く部分がウッドになっており、大きな熊の姿を想像させることから「ベアチェア」の愛称がつきました。
見た目にボリュームを感じさせる大きな作りのベアチェア(PP19)は、老若男女を問わず世代を超えて愛され続ける唯一無二のラウンジチェアと言われます。このように語られる所以はどこにあるのでしょうか。ここではベアチェア(PP19)が創り出す極上の座り心地について紐解きます。
①包み込まれるような安心感
実際にベアチェア(PP19)に座ってみると、身体全体をしっかりと受け止めてくれる安定感があり、そのかけ心地の良さは格別。腰をかけた際の何とも言えない安心感・信頼感は他に類を見ません。
座面の上であぐらをかいたり、横を向いて座ったり、まるでソファのように少しルーズな座り方ができる点も魅力です。

②PP Møbler(PPモブラー)が守り抜く伝統の職人技と内部構造
現在ベアチェア(PP19)を製造しているデンマーク屈指の家具工房の一つ、PPモブラーは良質な木材にこだわり少数精鋭で製造を続ける数少ない工房として知られています。
PPモブラーという工房について当店でご紹介しているブログがございます。是非併せてご覧頂けますと幸いです。
私どもは複数回デンマークにあるPPモブラーを訪問しており、その都度実際のベアチェア(PP19)の製造過程を見てまいりました。
工房内を撮影した画像も交えながら、製造過程におけるベアチェア(PP19)ならではのこだわりが感じられるポイントを以下にご紹介させていただきます。
PPモブラーによるベアチェアのこだわり①フレーム
多くの椅子は各フレーム同士をネジやボルトを使用して組み立てていきます。
ところが、ベアチェア(PP19)のフレームはネジやボルトなどを使用せず、木を組み上げることで作られています。木で組み上げることにより、緩みによって生じる椅子自体のガタツキが出にくく、長年の使用に適うよう耐久性や耐荷重性を高めることができるのです。
フレームにはビーチ材とパイン材を用います。構造の基礎となる部分はビーチ材で作り、ファブリック・レザーなどを張りつける部分は柔らかいパイン材を使用します。

フレームを組み上げているところです。


完成したベアチェア(PP19)の場合、後ろ脚はわずかに見えてくるだけですが、実はこのように後ろ脚はひじ掛けの下まで太い1本の木材が用いられています。
2本の木材を見えないところで接いだ方が価格は抑えられますが、接いだ部分が折れたり軋んだりすることがあるため、PPモブラーではこのように一本の無垢材を使用します。通常は見えないところではありますが、長く使えるための工夫が隠されています。


そうすることで傷みなどが出づらく交換も容易で、長く使うことができます。
このようにまずはしっかりとしたフレームを組み上げ、椅子としての土台を作ります。
次に、この組み上がったフレームに様々な素材を詰めていきます。
PPモブラーによるベアチェアのこだわり②素材
ベアチェア(PP19)のかけ心地の良さを作る要素の一つに、選び抜かれた中材の使用が挙げられます。
外側からの見た目だけですと分かりづらいですが、ベアチェア(PP19)の中材には、horse hair(馬の毛)、tow(麻)、palm leaves(ヤシの葉)、mattress of mixed animal hair(ミックスされた動物の毛)、cotton(綿)、coil springs(コイル)、jute strap(黄麻のストラップ)、coil springs in linen bags(麻に入れたコイル)など、実に多様な素材が使われています。
それぞれの素材の持つ特徴・特性を生かし、1脚ごとに職人の手で調整しながら素材を何層にも重ねていきます。丁寧に工程を重ねていく事によってベアチェア(PP19)ならではの素晴らしいかけ心地が作り出されているのです。





PPモブラーによるベアチェアのこだわり③張り込み
フレームが組み上がると、組み上がったフレームに各種素材を用い、職人の手によって丁寧に張り込んでいきます。



背もたれ部分には、麻の袋にコイルを詰めたものを用います。最終的には背面側にファブリックやレザーを強く引っ張りながら張り上げるため、これらのコイルが縮んだ状態となり、椅子に寄り掛かった際に適切な硬さが得られるように工夫されています。

PPモブラーによるベアチェアのこだわり④ 品質向上のための新たな取り組みへの試み
2019年に工房を訪れた後、2022年6月にも当店スタッフが再度PPモブラー工房を訪れました。
2019年のときは高さが変えられるテーブルを用いて作業する姿が見られましたが、2022年に訪問した際は新しい機械が導入されており、自由な角度に固定してベアチェア(PP19)を縫い上げることが出来るようになっていました。

この時は高さが変えられるテーブルの上にベアチェア(PP19)を置き作業していました。

テーブルの上ではなく、ベアチェア(PP19)を挟み自由に角度が変えられる専用の機械に代わっていました。

リモコン操作によって高さ・角度・向きが変えられます。

おそらく、新しい機械の導入により以前に比べて格段に作業性が上がったのではないでしょうか。品質の向上のため、今でもこのような新しい試みを行っているのだと感じました。
自分だけの一脚を。ベアチェア(PP19)の木種と生地(張り地)の選び方
ベアチェア(PP19)は、本体・シートクッション・爪・脚・パイピング・ボタンの素材(ファブリック/レザー)、カラー、木種を様々に組み合わせることができます。組み合わせ方により印象が大きく異なり、世界で一台の、ご自身オリジナルのベアチェア(PP19)を作ることが可能です。
印象を大きく左右するアームの「爪」と脚の木種
実際にベアチェア(PP19)の仕様を決めていく際、どのような順番で選定すればよいか迷われてしまうことも。当店のお客さまは、まず最初にネイルと呼ばれる手を置く部分と脚の木種を選定していくケースが多いように思います。






ファブリック・レザーなどの張地の選び方とカスタマイズ
ベアチェア(PP19)の張地には様々なファブリックやレザーをご選定いただけます。ファブリックの場合、触れたときのホッとするような安心感・肌触りと多彩な色味などとても表情豊かなベアチェア(PP19)をお作りすることができます。
一方、レザーの魅力は何と言ってもその重厚感と高級感でしょう。まさに椅子の王様とも呼べる風格が備わります。





また、ベアチェア(PP19)は大変細かいカスタマイズが可能です。「クッションを異なる生地」にしたり、「パイピングとボタンを異なる生地」にすることも多いです。





当店では、多種多様な生地サンプルや木種サンプルを実際に手にとってご覧いただけます。「ご自宅の床材や他の家具との相性」や「理想のインテリアのイメージ」に合わせて、スタッフが最適な組み合わせをご提案いたします。是非ご相談くださいませ。
ベアチェア(PP19)のオットマンとして使えるPP120 Stool
ベアチェア(PP19)と一緒にお使いいただくオットマンとして、PPモブラーで製作されるPP120 Stoolをご使用いただくことができます。





脚部の木種はオーク・アッシュ・チェリー・ウォルナットをご用意しており、脚部とハンドル部分の木種を変えることも可能です。(但し、お選びいただく木種によってご選定いただける材が変わりますため、当店スタッフまでご相談ください。)
また、ファブリック仕様のみレザーパイピングをお選びいただけます。
ベアチェア(PP19)の価格と納期目安
各パーツをカスタマイズできるベアチェア(PP19)は、お選びいただく木種や仕様によって価格が変わってまいります。
①価格
お選びいただく仕様により価格が異なります。(下記は2026年8月時点、2026年9月に価格改定予定)

②納期
ご注文を頂いてからご納品まで、おおよそ半年~1年が目安となります。(ご注文時に正式に納期をご確認します。)
Dansk Møbel Galleryでの展示・試座のご案内
ベアチェア(PP19)はデンマークのPPモブラー社で1脚ずつ丹念に製造されています。外から見ただけでは分かりませんが、実際にベアチェア(PP19)におかけいただくことで身体全体に感じられる安心感が、その品質を物語ります。
デザインだけでなく、構造・素材の用い方、職人の技術などすべてが備わり、初めてベアチェア(PP19)は完成します。包み込まれるような安心感のあるかけ心地は圧巻で、デンマークの方の中でも「いつかはベアオーナーになりたい」という想いを持つ方が多いことも頷けます。
皆さまにも、是非とも当店にてベアチェア(PP19)の誇る圧巻のかけ心地をお試しいただけましたら幸いでございます。
現在当店では、ロロピアーナ・インテリアのカシミヤ100%の生地を使用した特別なベアチェアを展示しています。
当店のみの特注モデルでございます。
尚、展示状況は都度変わりますため、ご来店前にお電話もしくはメールにて展示につきお問い合わせくださいませ。
以下のインタビューブログでもベアチェア(PP19)のことが出てまいりますので、是非ともご一読くださいませ。デンマークの方の家具や空間に対する想いが伝わってまいります、とても良いインタビュー記事と思います。
>>製品詳細



【PP19 ベアチェア】
■メーカー:PPモブラー
■デザイナー:ハンス・J・ウェグナー
■サイズ:W90×D95×H101cm
■商品ページ:PP19 ベアチェア
instagramでもご紹介しております。
当店DANSK MOBEL GALLERY(ダンスク ムーベル ギャラリー)は、インテリアコーディネートをはじめ、ポール・ケアホルムの家具を多数揃えるフリッツ・ハンセンの他、ハンス・J・ウェグナーの名作家具を製作するPPモブラー、デンマークの照明メーカー ルイスポールセンなどをお取り扱いする正規代理店でございます。
家具・照明・カーテン・ラグ・アートなど、インテリアに合わせてトータルにご提案をさせて頂きます。インテリアコーディネートやサイズ・使い心地など気になる事がございましたら、どうぞお気兼ねなく店舗までご相談・お問い合わせくださいませ。
尚、現在店舗は完全予約制でございます。ご来店をご希望の方は、こちらのページもしくはインスタグラムのDMにてご連絡くださいませ。
【インテリアコーディネート】
当店ダンスク ムーベル ギャラリーではインテリアコーディネートも行っております。
詳細はこちらのページよりご覧くださいませ。

DANSK MØBEL GALLERY(ダンスク ムーベル ギャラリー)
※2023年より完全事前予約制。ご予約はこちらのページもしくはインスタグラムのDMよりお願いいたします。
〒104-0061 東京都中央区銀座1-9-6 松岡第二銀緑館2F
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FAX 03-6263-0676
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