2022年 デンマーク訪問 ③

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2022年6月11日~17日に訪れましたデンマークにつき、ブログにてご紹介をしております。

2022年 デンマーク訪問 ①

2022年 デンマーク訪問 ②

前回は到着した日(2022年6月12日)にコペンハーゲン市内のフレデリック教会を訪れたところまで書かせていただきました。本日の続きを書かせていただきます。


【カステレット要塞・人魚姫】

フレデリック教会で30分ほど雨宿りをしていましたが、雨があがった後にデンマークデザインミュージアムに寄り、そのあと「カステレット要塞」と有名な「人魚姫の像」を見に行くことにしました。実は、かつてデンマークを訪れた際は工場訪問などの研修が多く、いわゆる「観光名所」には立ち寄る機会があまりありませんでした。人魚姫の像も見たことがなく、せっかく近くまで来たのでこのタイミングで訪問することにしました。

人魚姫の像は、上から見ると五角形の形をしている「カステレット要塞」のそばにあります。

カステレット要塞は上から見ると五角形の形をしており、このように水路でぐるりと囲まれています。
何となく、皇居のお堀のようなイメージです。
現在は公園として開放されており、とてものどかで落ち着いた雰囲気です。


周りを囲む水路にも情緒があり、絵になります。


橋を渡り中に入ります。


中には教会や風車などもあるようです。
こちらはかつての兵舎。シンプルでモダンな印象です。
色合いがいかにもデンマークらしいと思います。


先ほどまでの雷雨が嘘のように、とても気持ちの良い天気になってきました。


カステレット要塞の中を通り抜け、お堀の周りをぐるりと回るようにして人魚姫の像に向かいます。このときは天気も良くなり、気温も急に上がってきまして、半袖でちょうど良いくらいの気温でした。

「人魚姫像」に関しましては今まで色々な感想を耳にしましたが、実際はどのような印象なのか、大変楽しみに向かいました。


到着しました。

話には聞いておりました人魚姫像と初めての対面です。思ったよりも小さいという感想を良く耳にしていましたので、大きさは私が想定していた大きさでした。

岩にまさに上がってきたかのようなその造形や、物憂げな表情と佇まいが非常に印象的で、個人的な感想としましては見ごたえがありました。

サイズも非常にリアルなサイズで、これがもし大きかったらリアリティにかけてしまうので、このサイズあってこそ訴えてくるものがあるように思います。

少し肩を落とし物思いにふけるような物憂げな印象。
人魚姫の憂鬱がとても良く表現されていると個人的には思いました。



【ランゲリニエ・パヴィリオン】

この人魚姫像のすぐそばに、「ランゲリニエ・パヴィリオン」という建物があります。当店でも大変人気の高いルイスポールセン社の照明、PHアーティチョークはもともとこのパヴィリオンのために作られました。

こちらがランゲリニエ・パヴィリオン。
港に面し全面ガラス張りの美しい建築。


1957年、ランゲリニエ・パヴィリオンの設計コンペで選ばれた建築家、エヴァ&ニルス・コッペルは、照明器具の設計をポール・ヘニングセンに依頼しました。この際、ヘニングセンに対して建物が必要とする照明器具の条件は以下のようなものでした。

1:建物全体を統一してみせるシャンデリアのような照明であること。
2:港沿いに建つガラス張りのこの建物が外からでも美しく見えること。
3:テーブル席のためにある低い位置の照明と共に使用されること。
4:華やいだ雰囲気とあたたかみのある光を醸し出す照明であること。
5:昼間、あかりを消した状態でも美しいこと。

この課題に、ヘニングセンはPHアーティチョークという照明で応えたのです。

当時の写真。高い位置で全体照明として用いられています。


今でもこのランゲリニエ・パヴィリオンではPHアーティチョークが使われていますが、盗難にあい、オリジナルの物は1点しか残っていないと聞いたことがあります(念のためルイスポールセンさんに確認したところ、「階段のものだけがオリジナルのままで、他は盗難にあって新しくしています」とのことでした。日本では考えられないですが、デンマークでは家具・照明の盗難があります。良いことではないですが、それだけ家具・照明に価値があるという事実の裏返しとも言えます)。


見づらいのですが、建物の中にPHアーティチョークが吊るされているのが見えます。


もっと時代を感じさせるような建物かと思っていましたが、今見てもモダンで、つい最近建築されたと聞いても違和感がありません。デンマークの家具や照明デザインにも通ずるものがあるように思います。



【デンマーク国立銀行】

このあとホテルに戻る道中、アルネ・ヤコブセンの最後の建築であるデンマーク国立銀行を見に行きました。ヤコブセンは完成を待たずこの世を去りますが、重厚さもありなおかつモダンで、ガラスと大理石の異素材の組み合わせが大変美しい荘厳で凛々しい建築です。2015年に訪れた際は中にも入りましたが、今回はちょうど改装中のため中には入れませんでした。ただ、外から眺めるだけでもやはり素晴らしかったです。

威厳のある佇まい。
四角い箱のようなフォルムですが、大理石とガラスのコンビネーションが建物に表情・リズムを与え、
単調な印象はありません。前面の大理石の表情も効いています。
無機質で人をはねつけるようにも見えますが、どこかしら暖かみ・優しさ・気遣いを感じます。


反対側からの景観。長手方向にガラスが用いられ、
そのガラス部分が周りの景色を取り込みますので、建物のボリュームに対して圧迫感が感じられません。


デンマーク国立銀行は来るたびに目にしておりますが、見れば見るほど良さが伝わってきまして、今回が今までで一番感動しました。威厳と優しさを持った素晴らしい建築と思います。このような建築が街の一部として、日々の生活の中に存在するというのは本当に贅沢なことだと感じました。



【ラディソン ブル ロイヤルホテル(旧SASロイヤルホテル)】

その後、ヤコブセンが建築したラディソン ブル ロイヤルホテル(旧SASロイヤルホテル)の前も通りました(エッグチェア・スワンチェアなどはこのホテルのためにデザインされました)。

今回の旅程では徒歩でコペンハーゲンをかなり動きましたので、ラディソン ブル ロイヤルホテルの前は本当に良く通りました。

ラディソン ブル ロイヤルホテル



太陽を背に輝くラディソン ブル ロイヤルホテルはとてもスタイリッシュで凛々しく、今回は特にその色合いが素敵だなと思いました。デンマーク国立銀行もそうですが、こちらも今回が今までで一番その良さを感じられた気がします。建築家としてのヤコブセンの気配がとても伝わってきました。


到着初日(6月12日)はこのあと夕食を取り、明日から一緒に行動します建築設計事務所バケラッタの皆様の到着を空港でお待ちし、無事終了となりました。


次回のブログでは、6月13日に訪れましたポール・ケアホルム邸などにつきご紹介いたします。



こちらの画像は、コペンハーゲン中央駅のチボリ公園側出口。
駅を出て目の前にチボリ公園があります。






【インテリアコーディネート】

※当店ダンスク ムーベル ギャラリーではインテリアコーディネートも行っております。

詳細はこちらのページよりご覧くださいませ。

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