【構造を示すこと】ポール・ケアホルムの理念を体現した“ PK50 ”

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当店ダンスク ムーベル ギャラリーにて開催中の企画展 “ポール・ケアホルムが残した名作”。本企画展にて展示しているポール・ケアホルム幻の3作品の中から、彼の理念の一つである「構造を示すこと」がまさにが体現されている作品、 “PK50″につき本日はお話したいと思います。

 

 

ダイニングテーブル “ PK50 ”  ポール・ケアホルムの構造に対する考察の深さが感じられます

 

 

【天板】

天板は、深みのある色合いが特徴の”マホガニー材”が用いられており、サイズは横幅2400mm・奥行き800mm。一般的にこのような横幅の無垢材テーブルの場合、天板下には幕板と呼ばれる天板の反りを防ぐための構造が必要になることが多く、特に日本の四季の中で使用する場合、必要不可欠なパーツとも言えます。しかし、PK50にはその幕板がありません。

 

 

幕板だけではなく、天板裏に余計なパーツや突起物が一切見られない、すっきりとしたデザイン

 

 

こちらのPK50の天板、無垢材と突板を使用し、【木製のドア】に近い構造で構成されています。天板の周囲と短辺の一部は無垢材で枠組みとしてくみ上げ、その枠組み以外の部分を突板で仕上げることで、反りや暴れをが出にくいようにしています。このような構造にすることにより天板下がすっきりとし、ケアホルムらしい抜け感が表れます。

 

 

PK50の天板。外枠と短辺の一部に無垢材が使用されており、その他は突板となっています。

 

 

無垢材部分の組み上げは”三枚組つぎ”。長辺と短辺の無垢材の重なり合う部分をほぞ(凸)とみぞ(凹)に加工をし、留めています。構造を見せることがデザインに直結している、大変ケアホルムらしいディテールです。

 

 

また、天板の一部に突板を使用する理由としては、「天板の重量を軽くする」という目的も恐らくあったかと思います。幕板なしの構造であり、脚間もかなり開いているため、天板に重量があるとどうしてもたわみが生じる可能性があります。天板の一部に突板を用いたことには、その点を回避する目的もあったのではないでしょうか。

 

 

【脚部】

PK50のスラっと地面に向かって伸びる脚部は、対で考えられていた“PK12 アームチェア”と調和させるため、PK12と同様に円柱状のスチールパイプが採用されています。

 

 

PK50とPK12の脚部。対となっている円柱状のフォルムが美しいと思います。

 

 

天板と脚部の連結は、ねじ込み式。天板裏に受けがあり、脚を回して取り付ける構造となっています。天板裏の受けは天板に埋め込まれるように設置されているため、余計な突起物が天板裏に一切出てきません。このような構造により、天板から脚がスラっと伸びるように見えてまいります。

 

 

天板裏の金属製の受けプレート。天板に埋め込まれるような構造になっています。

 

 

脚を取り付けたところ。接合部も大変綺麗です。

 

 

PK50の脚部取付部分の図面

 

 

脚を手で回しながら天板裏の受けに取り付けるため、その際に手が滑ったりしないよう、脚には一部持ちやすいような加工が施されています。

 

 

機能的でもあり、同時に意匠性も高くなっています。ケアホルムらしさが表れている箇所です。

 

 

なお、細かい部分になりますが、4本ある脚部の1本分にだけある機能が含まれております。こちらの写真の脚先に、細いスリットが入っているのがお分かりになりますでしょうか。

 

 

4本脚の内の1本の脚先。遠目ではわからない細いスリットがこの脚だけに存在します。

 

 

床がガタついていることも多い当時のヨーロッパの住宅でも対応できるよう、4本中1本の脚のみアジャスター形式となっています。下の地面側の部分を回し脚の長さを延長し、ガタツキを解消することができます。実際に使われることを想定した心遣いです(通常、アジャスターは4本すべてにつけることが多いですが、そうしてしまうとテーブル自体の高さが変わってしまいます。おそらく、ケアホルムはそれを嫌い1本のみにアジャスターを付けたのだと思います)。

 

 

ケアホルムの目標の一つに、家具において「構造を示すこと」があります。ケアホルムのそれまでのテーブルは、外から見ただけでは天板の構造がわからないものでしたが、PK50により、彼は進化を遂げ、まさに構造そのものをテーブルで表現するということを実現しました。

 

 

 

 

写真ではなかなか伝わりづらいのですが、本当に綺麗なテーブルと思います。

是非ご覧頂ければ幸いでございます。

 

 

詳しい企画展内容に関しては、下記もご参照ください。

【展示日程決定】「ポール・ケアホルムが残した名作」

 

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