MY DANSK MØBEL~⑦AFURI株式会社・代表取締役 中村比呂人さん編~

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DANSK MØBEL とは、デンマーク語で、「DANSK(ダンスク)=デンマークの」「MØBEL(ムーベル)=家具」と言う意味です。

株式会社KEIZO代表の砂原啓三が、各方面でご活躍の方々に、現在お使いのデンマーク家具についてインタビューした「MY DANSK MØBEL」の連載をご紹介させていただいております。

今回は、AFURI株式会社・代表取締役 中村比呂人さんへのインタビューです。

 

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(左)株式会社KEIZO代表 砂原啓三 (右)AFURI株式会社代表取締役 中村比呂人さん

(中村比呂人さんのご自宅にて撮影)

 

<質問>

1.お持ちのデンマーク家具を教えてください。

  • PK11・PK22・PK31・PK91をはじめとするポール・ケアホルムの家具
  • デンマーク最古の工房であるルド・ラスムッセンのイングリッシュチェアやエジプシャンテーブル
  • アルネ・ヤコブセンによるスワンチェア・スワンソファ・オックスフォードチェアなど
  • その他、フリッツ・ハンセン社のエッセイテーブル・ファウンソファ・ミナスキュール、カール・ハンセン社より製造・販売されているオーレ・ヴァンシャーのデイベッド、PPモブラー社のザ・チェアなど
  • 照明はルイスポールセン社のアーティチョークやPH 3½-2½ カッパー フロアなど

 

中村さんのご自宅。弊社にてトータルコーディネートさせていただきました。ポール・ケアホルムの家具を中心とした、凛としたイメージの空間。

 

2.購入のエピソードなどあればお聞かせください。

引っ越しにあたり、イタリア系のインテリアショップも含め様々なショップを見てまわっていました。元々ミッドセンチュリーや北欧家具にも興味があったので、アルネ・ヤコブセンというデザイナーのことは知っていて、「ヤコブセンの家具を見よう!」と思い、フリッツ・ハンセン社の商品を扱っているお店(当店)に伺ったのが最初です。

そのときに、お店の設えの中でポール・ケアホルムの家具を見て、スタッフの方に説明をして頂いて、はじめてポール・ケアホルムの家具について意識をしました。それまでも見たことはあったかもしれないのですが、意識したのはそのときが初めてでしたね。

すごくポール・ケアホルムの家具が自分の胸に響いてきて、その記憶を持ったまま1週間後に再度お店に伺いました。そのときに砂原さんから接客を受ける中で「このお店に任せてみたい」と思い、ご提案してもらうことにしたのが始まりです。

 

3.デンマーク家具のどのような点がお気に入りですか?また、お使いいただいた感想などもあればお聞かせください。

ポール・ケアホルムの家具に関していえば、緊張感と鋭さがすごく好きですね。それも、表層に現れてくる表面上のデザインの鋭さだけでなく、内面から伝わってくる精神的な鋭さがあって、それがとても心地よい適度な緊張感を与えてくれます。デザインの要素が少なく、無駄がないのもとても好みです。

具体的な話では、例えばPK31(ソファ)には本当に長時間座っているんですけど、まったく疲れない。高さ・角度も良く、レザーもとても心地よいです。

 

1958年にデザインされたソファ、“PK31”

 

PK80(デイベッド)もすごく機能的で、実際に横になってみると本当に「デイベッド」という名前がピッタリのような快適な寝心地です。夜もこれで寝ても大丈夫なんじゃないかと思いますね笑。機能的であって、見た目も本当に美しい。

 

画像手前がデイベッド、“PK80”。こちらの仕様は世界的ファッションデザイナーであるラフ・シモンズ(Raf Simons)によりデザインされた特別なファブリックをまとった全世界25セット限定の特別モデル。

 

PK22(ラウンジチェア)はオブジェとしても綺麗だし、座り心地も見た目の通りです。座ったときに感じる緊張と緩和のバランスが、見た目通りだと思いますね。このバランスがとても素敵です。

 

ポール・ケアホルムの代表作、一人掛けのラウンジチェア、“PK22”

 

ポール・ケアホルムの家具は、揃えると独特なオーラが生まれますよね。それは、表面上のデザインを誇示するようなものではなく、家具がもっている内面的な鋭さが醸し出すオーラだと思います。

 

ポール・ケアホルム以外の家具では、ルド・ラスムッセン社のイングリッシュチェアも、包み込む柔らかさとキリッとしたシャープさを兼ね備えていますね。ポール・ケアホルムの家具とイングリッシュチェアは、素材や見た目は異なりますが本質は同じだと思います。座ったときに受ける印象、つまりその椅子が持っている「緊張と緩和の比率」が同じなんですよね。ケアホルムの家具はスチール、イングリッシュチェアは木を用いていますが、不思議です。

 

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ルド・ラスムッセン社の“イングリッシュ・チェア”

 

実際に使ってみた感想として、総じてデンマーク家具は機能的に大変素晴らしいと思います。椅子やテーブルを造形物として「引いて観るもの」という以前に、まずは道具として非常に使いやすいですね。僕の場合、元々「デンマーク家具」という切り口で入ったのではないですが、結果的には自分の好みはデンマーク家具とおおよそ一致していました。そのような意味においては、実際に使うことにより自分自身の好みもより明確になってきた部分があると思います。

 

4.次に欲しいデンマーク家具などあれば教えてください。

僕の場合、まずは空間ありきで、そこに合う家具を求めているので、「商品単体で何か欲しい」というものは現時点ではあまり思い浮かびませんね。ただ、あえて言うなら、ここ最近は「白い空間」が好みなので、そのような意味ではアーティチョークのホワイトが気にはなっています。あとは、ちょうどいま別荘の建築に向け建築家の先生(城戸崎博孝先生)と打ち合わせをしていますので、今度はその建築に相応しい家具を探していくことになると思います。

 

5.多くの店舗を出店されていらっしゃいますが、デンマーク家具のデザインやコンセプトなど、お仕事とも共通する点や影響などあるのでしょうか?

デンマーク家具は美しく、かつ機能的であると思います。そして、その「美しさ」「機能性」を達成する方法は、どこまでも無駄がなく、シンプルで、ミニマルです。「少ない手数でいくつもの要件をカバーしている」のだと思いますが、僕も仕事の上でもそのような点はすごく大事にしています。デンマークデザインと自分の仕事には、そういう考え方・スタイルに共通点があるように思います。

あとは、店舗に関して言えば、昔は効率化のためにとにかく実用的なものを選んできました。丈夫でメンテナンスも楽なものですね。ただ、実際に自分でこのような家具を使ってみて初めて、美しさのためなら“ちょっとした不便さ”が許せるようになりました。「造形も一つの機能」と思えるようになりましたね。昨年オープンさせたアメリカ・ポートランドの店舗にはアーティチョークを選びましたが、昔だったら間違いなく選んでなかったと思います。そういう点においては、実際にこのような家具を身近に使うことで、自分自身にも影響はありましたね。

 

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アメリカ・ポートランドにオープンした店舗。アーティチョークをご選定頂きました。

 

 

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AFURI代表取締役

中村比呂人

1975年神奈川県生まれ。大学時代は司法書士を目指すも、ものづくりを一生の仕事にしようと方向転換。テレビ番組のADや飲食店勤務を経て、2001年「ZUND-BAR」立ち上げに携わる。2016年には新宿ルミネ1に「AFURI新宿」、アメリカオレゴン州ポートランドに「AFURI Portland」をオープン。恵比寿・原宿・中目黒・六本木など国内10店、海外1店を展開している。

 

HP:http://afuri.com/