Red chair -デンマークモダンデザインの父、コーア・クリントのデザインした椅子-

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皆様はデンマーク人デザイナーである 「コーア・クリント」をご存知でしょうか。コーア・クリントは、デンマークモダン家具の父と呼ばれる人物です。彼が一生のうちにデザインした家具は、そこまで多くありません。ただ、その一つ一つは大変美しく、デンマークデザインを語る上で欠かせない非常に重要な家具をデザインしています。

 

今回のブログでは、その中でも今なおデンマークの工房 “ルド・ラスムッセン”にて製作されている【RED CHAIR】をご紹介させていただきます。

 

 

デンマークモダンデザインの父 コーア・クリント

Kaare Klint, arkitekt.
コーア・クリント

コーア・クリントは、1888年デンマーク東部 シェラン島北東部のフレデリックスボルに生まれます。父は、建築家 “イェンセン・クリント”。コペンハーゲンにある“グルントヴィー教会”を設計したデンマークを代表する革新的建築家です。

 

コーア・クリントは14歳の頃から家具職人として、父をはじめ、建築家“カール・ピーターセン”や家具作家“ヨハン・ローデ”の元で学び、着々と腕を磨いていきます。1922年には建築家として独立。そして1924年、デンマーク王立芸術アカデミーの家具科を創設、講師として教鞭をとります。そんな彼が、“デンマークモダンデザインの父”と呼ばれる所以は、デザインに対する考え方にありました。

 

 

リ・デザイン(再構成)という考え方

「過去にとらわれない物」「斬新な物」をデザインする”モダン主義”が主流だった時代、コーア・クリントは異なる信念を掲げました。【過去の歴史・様式を見直し、それを時代の需要にあうよう再構成する(リ・デザイン)】。この信念を持ち、教育を通し、数多くのデザイナーに多大なる影響を与えていきました。PK22やPK80の「ポール・ケアホルム」や2213やスパニッシュチェアの「ボーエ・モーエンセン」、PP701やベアチェアの「ハンス・J・ウェグナー」もその一人でした。コーア・クリントは【古代は我々よりももっとモダンである】と語っているのです。

 

 

1869年創業 老舗工房  ”Rud Rasmussen (ルド・ラスムッセン)”

 

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デンマークで最も古い工房 ”ルド・ラスムッセン”。創業から147年。妥協を許さない家具作りと、伝統的なクラフトマンシップが今なお引き継がれています。コーア・クリントの多くの作品はこのルドラスムッセン社にて製作されております。このルド・ラスムッセンのブランドロゴは、1944年にコーア・クリントによりデザインされており、「R」の曲線部分に、彼のデザインを感じさせます。

 

 

RED CHAIR 別名”バルセロナチェア”

そんなコーア・クリントが、1927年に コペンハーゲン市内にある「デンマーク工芸博物館 (現:デザインミュージアム・デンマーク)」の講義室用にデザインをした椅子が、「RED CHAIR(レッドチェア)」です。

 

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元々のオリジナルが赤色のゴートハイド(山羊革)だった事からレッドチェアの名がつきました。ただ、バルセロナ万国博覧会で賞を受賞した事から、デンマーク本国では 「バルセロナチェア」とも呼ばれています。

 

実は、こちらのRED CHAIRも 18世紀のイギリスのデザイナー ”トーマス=チッペンデール”のチェアをリデザインしています。トーマス=チッペンデールのデザインした家具は「チッペンデール様式」とも言われ、ロココ様式に中国的な装飾やゴシック様式を取り入れたスタイルとなっています。木を削ることで装飾を作り、猫脚の様な微妙な曲線を脚部に取り入れたチッペンデールのチェアは、18世紀のフランスやイギリス等を代表的な家具となっています。このRED CHAIRにも、細部にチッペンデール様式が残っております。

 

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横から見ると、後ろ脚に猫脚の様な曲線が。この曲線は彼がデザインしたフォーボーチェアやイングリッシュチェアにも採用されています。

 

 

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前脚の前面を削り、エレガントな印象に。もともと講義室用にデザインされている事から、隣り合った椅子の前脚前面が揃うようデザインされています。

 

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エッジの部分に真鍮製の鋲で打ち込むタイプも。チッペンデールのチェアでは、座面部分に鋲を打ち込んだものが多く見られます。鋲を打ち込むことで、よりクラシックで落ち着いた印象に。

 

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1930年に当時のデンマーク首相の為にデザインされたアーム付きモデル。

 

 

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KK_4036_Addition table mahogany_KK_3949_Small Red Chair_Mahogany black

 

 

コーア・クリントのもたらすモダン

コーア・クリントのデザインした家具は、一見するとクラシックな印象にも映りますが、実は大変モダンであると私たちは考えています。よりシンプルに無駄をそぎ落とすこと、機能美を追求すること、エッジをたてることによりシャープな印象を演出すること。理由はいくつか挙げられますが、クリントのデザインには、「デンマークモダンデザインの萌芽」を感じ取ることが出来ます。非常にエポックメイキングな、歴史上の分岐点に位置する作品であると、見るたびに深い感慨を覚えます。

 

現在、当店にはRED CHAIRに加え、1914年デザインの”フォーボーチェア”も合わせて展示しております。座り心地はもちろん、様々な角度からご覧になり、お楽しみください。

 

フォーボー
1914年デザイン ”フォーボーチェア”

 

 

こちらも合わせてご覧くださいませ。

〇レッドチェア   :https://www.republicstore-keizo.com/dmg/collection/dining-chair/kk47510/

〇フォーボーチェア:https://www.republicstore-keizo.com/dmg/collection/dining-chair/kk96620/

 

 

 

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