インタビュー ~フレディ・スヴェイネ 駐日デンマーク大使編~

当店のグループ店舗である、銀座のDANSK MØBEL GALLERY(ダンスク ムーベル ギャラリー)のブログでは、当店を運営する㈱KEIZO代表の砂原啓三が各方面でご活躍される方々に現在お使いのデンマーク家具についてインタビューをした「私のDANSK MØBEL」の連載をしております。

DANSK MØBELとは、デンマーク語で「DANSK(ダンスク)=デンマークの」「MØBEL(ムーベル)=家具」と言う意味です。

今回はフレディ・スヴェイネ 駐日デンマーク大使編です。

日本とデンマーク外交関係樹立150周年となる特別な年に沢山のお話を伺う事ができました。

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(左)フレディ・スヴェイネ 駐日デンマーク大使

(右)弊社代表 砂原啓三


■お持ちのデンマーク家具を教えてください。


有名なデザインの家具はもちろん使っています。


大使公邸ではご覧の家具を使っていますし、2
階のプライベートスペースではエッグチェアも使っています。デンマークの自宅にはフリッツハンセンのスワンチェアやPK22の籐張りにカール・ハンセンのCH24(Yチェア)も使っています。

子供の頃、私の実家が農業を営んでいたのですが、実家には古い家具もありました。FDB MOBLERやチークでできた家具などです。

それを全て手放してしまったので今ではとても惜しく思っています。


60年代は好景気だったので、デンマーク国内では皆新しい家具に買い替えていました。当時はあまり古いものに価値を見出していなかったですね。


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大使公邸でまず目に入ってくるのはグランドピアノとアーティチョーク、

その後ろに庭園が広がります。

■購入のエピソードなどあればお聞かせください。


スワンチェアは特に気に入っています。

あの翼を広げた様な優美なフォルム、白鳥はデンマークの国鳥ですからね。思い入れもあります。

若い頃、コペンハーゲンから車で2時間程のところに住んでいた私はあまり中心部には行く機会がありませんでしたが、一度SASロイヤルホテルで昼食を取ったことがありました。

ホテルのロビーでスワンチェアを目にし、そのデンマークのデザインにとても魅了されましたのを覚えています。

数ある家具の中でも伝説的な家具のひとつになっていると思います。


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デンマーク、コペンハーゲンのSASロイヤルホテルのロビーにはエッグチェア、スワンチェアが並んでいます。

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公邸の入口の両側にはスワンチェアとPK22、Series3300とデンマークの名作が出迎えてくれます。

■デンマーク家具のどんな点がお気に入りですか?


デンマーク家具には四つの事が言えると思います。

Simplicity(シンプル)、Minimal(無駄のない)、Functionality(機能的)、Confortable(快適)です。

デンマークは国民の幸福度が高く「世界一幸せな国」と呼ばれますが、QCL(Quality of life happiest)とも言い、デンマークデザインにも通じていると思います。

エッグチェアやスワンチェアはただの椅子ではなく、意匠と機能と快適さを併せ持ち、どんな空間にも合うデザインです。それが私の好きなところですね。

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■次に欲しいデンマーク家具などあれば教えてください。


一つも選ぶのは難しいですが、個人的にはフィン・ユールが好きですね。

デザインに力強さがあり、日本でも人気がありますね。

既に使っているスワンチェアと合わせてもとてもいい空間になるのではないかと思います。

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デンマークの国民的キャラクター、ラスムスクルンプの大きなぬいぐるみを移動しながら説明してくださる大使


■デンマーク大使館は槇文彦先生が設計されましたが、公邸について気づかれたことはありますか?


はい、実は先日槇と公邸で対談する機会がありました。その際にこの公邸を設計した時のお話を聞くことができました。まず私が尋ねたのはこの建物についての三つです。

・デンマークらしさとは

・日本らしさとは

・槇文彦氏らしさとは


1979年に建てられたこの建物は日本のデザインの重要性を強調しています。日本とデンマークの伝統と職人技の驚くべき融合です。

私はデンマークと日本の建築で共通していることに直線的で質素で機能的という事が挙げられると思います。

この公邸もどうでしょうか、天井から壁の作りも非常に直線的です。華美過ぎず、シンプルな装飾が加えられています。

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特に私が好きなのは、ソファに腰掛けて庭を眺めると外の柱に空間があります。まるでそこが絵画の額縁のようにもうひとつの景色を見せてくれます。

これが槇さんのシグニチャー(署名)でもあり、私は「Window of happiness made by Maki-san(槇氏が作ってくれた、パピネスの小窓)」と呼んでいます。人間の幸せの為に建築をする。それも日本とデンマークの強い共通点です。

幸福をつくる素晴らしい建築デザインです。


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大使が「Window of happiness made by Maki-san(槇氏が作ってくれた、パピネスの小窓)」と呼ぶ大使公邸お庭の一部

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■お知らせ

日・デンマーク外交関係樹立150周年オフィシャルウェブサイト
http://www.denmarkjapan150.jp/ja/feed-ja/

デンマークデザイン ウェブサイト
http://denmarkdesign.jp/

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フレディ・スヴェイネ大使経歴

生年月日:1957年7月31日

1981年:コペンハーゲン大学卒業文学修士(歴史専攻)
1982年: デンマーク外務省入省
1988年 1月: 在ブリュッセル・デンマークEU代表部書記官
1991年:デンマーク外務省課長
1993年: 在仏デンマーク大使館参事官(経済担当)
1997年: デンマーク外務省部長
2000年:デンマーク企業A.P. Møllerグループへ部長として外務省より出向
2003 年:デンマーク外務省通商貿易政策担当審議官
2004年:デンマーク外務省トレード・カウンシル事務局長・大使
2005年9月:駐日大使
2008年6月:デンマーク農業理事会CEO
2010年:デンマーク外務省EU/EPA担当大使
2010年9月:駐インド大使(ブータン・スリランカ・モルディブ兼任)
2015年8月:駐日大使

家族:妻と子ども4人

http://japan.um.dk/ja/

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