アルネ・ヤコブセンが生涯最後にデザインしたダイニングチェア|LILY(リリー / エイトチェア)

北欧デンマークを代表する建築家であり、デザイナーとしても知られる巨匠「アルネ・ヤコブセン」。

デンマーク王立芸術アカデミーで建築を学んだヤコブセンは大規模な建造物や地区開発を次々と手掛け、また同時にヤコブセン自身が設計した建築のために家具や照明を数多くデザインしました。

建築物そのものと自身が設計した空間を彩る重要な構成要素となる家具や照明、どちらに対しても全体を包括的に捉えることで、一体感のある居心地の良い空間を数多く生み出してきました。

数多くの家具をデザインしたヤコブセンが自身の生涯最後にデザインしたダイニングチェアが、1968年にデンマーク王立銀行のプロジェクトでプロトタイプとして発表した「エイトチェア」になります。

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エイトチェアはLILY(リリー)という愛称を持つ椅子で、名作「セブンチェア」をよりスタイリッシュにエレガントなフォルムへと昇華させた彼の傑作の一つです。リリーはデンマーク王立銀行のためにデザインされ、1970年にデンマーク家具見本市で正式に発表されました。

リリーの持つ魅力

リリーの最大の魅力は、有機的で立体的な曲線の美しさです。背から腰にかけて大きくくびれ、その名の通り、百合の花が開いたようなエレガントな姿が印象的です。

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リリーは、ヤコブセンがそれまで追求してきた「成形合板」の技術の集大成とも言える一脚です。

背もたれからアームにかけての「絞り」が非常に鋭く、成形合板(スライスした木材を重ねて圧着する技法)でこの形を実現するのは当時極めて困難でした。

その製造難易度の高さから、1970年に発表されたものの、数年後に一度製造が中止されました。しかし、ヤコブセンの生誕100周年である2002年頃にフリッツ・ハンセン社から復刻され、現代の技術で再び安定して生産できるようになりました。

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リリーはヤコブセンらしいミニマリズムの中にも、花が開いたような華やかさと、体に吸い付くような機能性が共存している名作です。

長時間座っていても疲れず、ダイニングチェアのみならず、ワークチェアとしてお使い頂くことも多いチェアになります。

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リリー誕生までのヤコブセンの挑戦

リリーの誕生はヤコブセンがいかに「一枚の板からどこまで複雑な曲線を作れるか」という限界に挑み続けたモダンデザインの一つの到達点とも言える一脚です。

リリーは彼の代表作であるセブンチェアアントチェアと同様、当時では革新的な素材であった成形合板で作られています。

成形合板とは、1mmほどの薄い木板を複数枚重ね合わせて接着し、熱と圧力を加えながら曲げて立体的な形に成形したものになります。

無垢材では難しい複雑な曲線の表現が可能で、軽量で丈夫な特性を持ち合わせています。

ヤコブセンは、1952年に背と座が一体となった世界初の成形合板椅子となるアントチェア、1955年にアントチェアの技術を応用し、より座面を広く、背もたれを大きくして座り心地を追求したセブンチェア、1957年にはセブンチェアの曲線に対し、エッジの効いた直線的なデザインを融合し、見事ミラノ・トリエンナーレでグランプリを受賞したグランプリチェアと、成形合板を用いた椅子の開発を続けてきました。

しかし、これらは背と座に強いカーブはあるものの、基本的には二次元的な曲げの延長にありました。

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1970年、ヤコブセンは成形合板の技術的限界に挑み、背もたれからアームにかけて「ひねり」を加えた、より立体的で複雑な三次元曲面を実現しようとしました。この複雑なフォルムが百合の花が開いたように見えたことから、後に「リリー」という愛称で親しまれるようになります。

それまでの技術を結集し、三次元的な深い曲面を実現。アーム付きモデルは「合板をここまで曲げられるのか」という驚きを当時の職人に与えました。

ヤコブセンの不屈の精神が生んだこれらは、3つとも北欧を代表するチェアとして長く人々に愛されています。

■納品事例

当店からお納めしたリリーの納品事例をご紹介いたします。

lily納品事例

ヤコブセン自身が生涯最後にデザインしたチェアとして知られるリリー。ヤコブセンが成形合板の可能性に挑み続けた集大成となる大変美しいチェアです。

シェルや張地も各種サンプルをご用意しております。是非店頭でご覧ください。



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