「ブドー酒」

弊社の大阪店「REPUBLIC OF FRITZ HANSEN STORE OSAKA」に、新しい絵画「ブドー酒」(作者:鴨居玲)を展示いたしました。過日のグログ「夜桜月下」では近々大阪店に夜桜月下を展示する予定でしたが、旬の候の初春まで待つことにし、これから迎える初冬にふさわしい「ブドー酒」を展示しました。デッサンでは指の汚れや爪の垢まで描き出すという画家・鴨居玲の鬼気迫る重厚で微細な油絵を是非ご覧ください。現在展示中のファウンソファーの懐古的な匂いのする曲線美とよく合っています。

 

 

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「ブドー酒」(作者:鴨居玲)

 

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鴨居玲 / カモイ レイ (1928~1985年)

酔っぱらい、廃兵、皺だらけの老婆、そして自画像と、40年足らずの短い画業で、常に自己の内面と向き合い、苦悩しながらも数々の作品を描き続けた画家鴨居玲(1928-1985)。
戦後創設された、金沢美術工芸専門学校(現・金沢美術工芸大学)に入学し、宮本三郎に師事。二紀会に出品して褒状を受けるなど、若くしてその才能を発揮します。しかし油絵制作に行き詰まり、油彩画から離れる時期もありました。その後、意を決して取り組んだ《静止した刻》で、1969年に安井賞を受賞。以後スペイン、フランス、そして神戸と生活の拠点を移しながら、鴨居独特の存在感のある画風を確立していきます。暗い色調の中、わずかな光で対象を表現した作品からは、鬼気迫る彼の心の叫びが聞こえ、見る者を引き付けずにはおきません。

 

 

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