古美術イベントLP

古美術をしつらえる

4回目となります企画展「古美術をしつらえる」。本年2025年11月に当店ダンスク ムーベル ギャラリーにて開催いたします。


2025年11月21日(金)〜 11月24日(月・祝)

DANSK MØBEL GALLERY /
12:00〜18:00 会期中予約不要


サステナブルなモノ選びが主流となり、すこし高価でも長く付きあえる家具調度を購入する層が増える中、空間に取り入れる美術品もミクスチャーな感覚をベースにしながら、日本の古美術をインテリアに取り入れる方が増えております。北欧家具の機能性と美しさに、日本古来の精神性を宿した古美術を組み合わせることで、現代の住空間に新たな価値観を提案いたします。

撮影:白石和弘

興福寺伝来木彫観音菩薩像

1 | 興福寺伝来木彫観音菩薩像

慈悲深い表情が現代空間に静寂をもたらします

青銅経筒

2 | 青銅経筒

古の祈りを込めた美しい造形美

金銅阿弥陀如来像

3 | 金銅阿弥陀如来像

朝鮮半島の洗練された美意識を感じる逸品

古銅誕生仏

4 | 古銅誕生仏

小ぶりな佇まいが空間に品格を与えます

赤樂筒向付 五客

5 | 赤樂猪口

樂家四代目、一入が手がけた旧い表情の赤樂猪口

ガラス製書簡容器

6 | ガラス製書簡容器

豊かな時間の経過が生み出したシンプルな造形美

興福寺伝来 木彫観音立像

古美術の世界では「興福寺千体仏」とも呼称される木彫観音立像です。平安時代後期(12世紀)に藤原氏が興福寺に奉納したと伝えられる千体仏の一体で、現在は美術館や諸家に分蔵されております。

あまり語られることはありませんが、実は興福寺千体仏の製作には様々な仏師(工房)が関わっており、かなりの個体差があります。作行きや状態も様々ですが、本作は院政期の美意識が濃厚な、流麗かつ穏やかな佇まいで、かつ後世の手も入っていないウブな状態も魅力です。
市場に出てくることが稀な興福寺千体仏。ぜひ会場でご覧ください。

青銅経筒

ちん、とした摘みが愛らしい平安時代の経筒です。経筒とは平安時代末期に流布した「末法思想」により将来も仏法が遺るよう願い、貴族たちが能書家に経典を書かせてこのような経筒に納めて地中に埋めた、いわゆるタイムカプセルのようなものです。さすがに900年以上地中に埋まっていたため全体が緑青に覆われていますが、この色味が蒼古とした味わいとなり古美術(とりわけ仏教美術愛好家)の世界では変わらぬ人気を博しています。

金銅如来立像

きらめく鍍金をまとった、新羅仏の優品です。新羅も高麗時代も国教を敷き、みな篤く仏教を信仰していたとのこと。ゆえに個人礼拝用としてこのような鍍金仏が製作されたのでしょう。

本作は比較的大きさもあり、台座も伴っておりますので見栄えすることと存じます。愛らしいご尊顔が日々の疲れを癒してくれそうです。

古銅誕生仏

蓮から出現したお釈迦さまが「天上天下唯我独尊」と唱えたさまを具現化した、いわゆる「誕生仏」と呼ばれる御像です。右手が天を、左手は地を指すおなじみのポーズは70年代に一世を風靡した某映画を想わせますが、ユニークかつ愛らしいさまで大変人気の高い一体です。

よくある室町時代の同手作よりも胴がスラリとのび、ご尊顔もキリリとした鎌倉時代の品です。玄関などに飾る念持仏としていかがでしょう。

赤樂筒向付 五客

樂家四代の一入(1640 ‒ 1696)が製作した赤樂猪口です。猪口は酒肴のための器で、このわた等を頂戴したあと酒を注いでぐい呑みにも使用したようです。シンプルな筒なりに胴に縦ヘラを入れた造形で、天明の大火(団栗焼け)で樂家が代々使用してきた土が焼失する以前の旧い表情の赤樂です。
牙蓋を伴って替茶器として第二の人生を歩んでいる品も見たことがありますが、一入の猪口が五客揃って出てくることは稀なことではないでしょうか。江戸時代のものと思しきウブ箱に収まった品行方正な次第も魅力的です。

古代ガラス書簡容器

王侯貴族が書簡を運ぶのに使用した、古代ガラス製の筒容器です。緑色を呈した色ガラスが長年の埋没により表面が酸化し素晴らしい表情となっており、そのシンプルな造形とあいまって「古いものがいちばん新しい」という感覚を体現した作品ではないかと思います。

特注の黒アクリル台座も気が利いており、何の抵抗もなくしつらえることができそうです。西洋骨董鑑定の第一人者であり、愛好家の市川清氏の箱書も嬉しいところ。

撮影:白石和弘(1〜4)
奥山晴日(5〜6)

古美術をしつらえる

□会期
2025年11月21日(金)〜 11月24日(月・祝)12:00〜18:00会期中予約不要
□会場
DANSK MØBEL GALLERY 東京都中央区銀座1-9-6 松岡第二銀緑館2F /
TEL.03-6263-0675

古美術を身近に

古美術というと敷居が高く感じられるかもしれませんが、決してそんなことはありません。 大切なのは、その作品から感じるインスピレーションです。 長い時を経て現代に伝わる古美術の持つ力強さや美しさを、肩肘張らずに暮らしの中に取り入れてみてください。 きっと新しい発見があるはずです。

古美術・骨董などはお詳しい方でないと入ってはいけない世界、入りにくい世界と感じていらっしゃる方も多数おられますが、私どもとしましては、肩肘をはらずに気兼ねなく、ご自身の気に入った色彩・造形・質感・空気感のお品を是非ともご自宅にしつらえていただきたいと思っています。 「自分にとって居心地のよい安心できる空間で満たされた時間を過ごす」。
住空間に求められているこのような価値を実現できる一助に、本展がなりましたら幸いでございます。

ダンスク ムーベル ギャラリー

□URL www.republicstore-keizo.com/dmg/

なぜ北欧家具に古美術?と疑問をお持ちの方にこそ、この展示会へお運びいただきたく思っております。知識云々よりも「これ、部屋に飾ったらかっこよさそう」とか「この仏像、とても可愛らしい」といった貴方のインスピレーションを大事にしていただきたいのです。古来日本人を、いや世界中のアート・ファンを魅了してきた、格の高い古美術 をぜひあなたのお手元に置いてみてください。お客様のお気持ちに寄り添いながら日常の空間に<古美術をしつらえる>お手伝いを精一杯努めさせていただきます。

古美術中上 NAKAGAMI

□URL nara-nakagami.com