デンマーク研修報告2018⑥ ~フリッツ・ハンセンLegacy(1872-1950)~

デンマークに雨女降臨。

天気に恵まれないこの日。

向かったのはフリッツ・ハンセンの本社です。

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デンマーク本社のあるAllerød(アレロッド)は郊外の静かな町。

この日は韓国から参加した皆様と同乗のため、

ながーいバスで移動しました。

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コペンハーゲンから約20分くらいでしょうか。

エントランス

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オブジェクツコレクション がお出迎えです。

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ピンクの ルネ がとてもかわいくて印象的でした。

クッションがぐちゃぐちゃですが。

ここはかつて工場だったスペース。

フリッツ・ハンセンの魅力がぎゅっと詰まっています。

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1947年当時の本社の様子。

当時はここに300人ものひとが働いていたそうです。

現在は一部を残し、図書館や学校などに変わっています。

まず出迎えてくれたのが4つのテーマに分かれた展示ブース。

それぞれ『Legacy』『Now』『Craft』『Idea』。

特筆すべきは『Legacy』のブース。

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貴重な展示が多く、非常に興味深く見学しました。
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創始者であるフリッツ・ハンセンはクラフトマン。

家具のパーツを製作するサプライヤーだったそうです。

1872年、弱冠25歳でのスタートでした。

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1878年の椅子です。

フリッツ・ハンセンが自身の為に製作した最初の椅子。

もともとは装飾的な椅子を製作していたのですが、

自身が使用するものは非常にシンプルでした。

なんとすでに合板をを使用しています。

そして1896年、息子のクリスチャンの代になると、

このアレロッドの地に根を下ろします。

技術の向上に努めたフリッツ・ハンセン社は

木材の切り出し、曲木、合板やスチールの加工において頭角を現し

1900年頃から成長を拡大していきます。

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コペンハーゲン市庁舎、デンマーク国会議事堂、裁判所など、

様々な施設で採用されたチェアが並びます。

3代目を継いだの兄弟のうち、デザイナーのソーレン・ハンセンは

バウハウスのカンチレバーからインスピレーションを受け、

1930年代からスチールを使用した製品を発展させていきます

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1933年のカンチレバー式の椅子。

さらに工業化が進められ、

フリッツ・ハンセン社がデザイナーと共に製作した名作の数々。

まさに遺産。

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ヤコブセンとの最初の製品、ベルビューチェア(1934)

座面はタッカーを使用し、ジョイントを少なくするなど

量産できるように工夫されています。

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コーア・クリントのチャーチチェア(1936)

背中に聖書を入れるスペースを設けた機能的なチェア。

父親のイェンセン・クリントが設計したグルントヴィークス教会の為に

デザインされ、現在も使用されています。

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フリッツ・ハンセン社で2004年まで製造されていました。

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ハンス・J・ウェグナーチャイナチェア (1944)

典型的な中国様式のチェアに、デンマークのエッセンスを。

ジョイントが加えられているところがウェグナーらしくて

納得してしまいます。

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エドワード・トンプソンの託児所用テーブル(1947)

曲木や切り出しなど、木材加工の技術を生かしたデザイン。

これじゃ、子供たちはおとなしく座っているしかないですね。

さて、ここからは1950年代になるわけですが、

それはまた次回に。

フリッツ・ハンセンを代表する巨匠、

アルネ・ヤコブセンポール・ケアホルム の時代ですから。

おまけ。

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背後に見えるパネルには

ここを訪れた人々がメッセージを残しています。

きっと、私が受けた衝撃や感動と同じ気持ちが

様々な言語で表現されているのだろうな・・・

そんなことを考えながらしばし眺めていたら、

次への移動に遅れ、せかされながらあわてて退場。

実は、弊社の代表と先輩たちのサインを見つけたんです。

私も同じ場所にメッセージを残しました。

証拠写真はないですけど、それはこれから行く後輩に託すことにします。

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