長谷川 利行の絵

takezoです。
「浅草界隈・神谷バー」についてスケッチをお借りしたさんからメールを頂いた。私よりずっと思いが深い文章なので紹介させていただきます。極貧を厭わず浅草で一日中絵を描いていたり、絵を売っては酒を飲んでいた長谷川 利行の絵はずしりときます。
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長谷川 利行「神谷バ-」の絵、知ってるかもしれないが、送信しす。飲めないわたしが何度か行ってるのは、強い連れが居たから。荷風も行ってるでしょう。よく残ってる建物だと思う。近頃のビルはスベスベピカピカで色気が無いです。六本木ヒルズやら表参道なんとかやらスカイツリ-やら、田舎者趣味ばかりの東京になってきた。今のうちに歩いておいたほうがいいです。浅草テ-マの本は沢山あるね。わたしの一押しは川端 康成の「浅草紅団」 江戸川乱歩もおもしろい。極彩色の三文浮世絵のような猥雑な美しさに惹かれる。

最近は喫茶店で、数学、天文学、物理学などの本を読んでいる。読んでいるというより眺めている。もちろんさっぱり解からないが、ぞっとするような美しさを感じることがある。空ばかり眺め歩いて足元の穴に落っこった天文学者の笑い話はたまらなく美しいと思う。落ちないことだけを考えて一生を終える凡人は醜い。

行き倒れ長谷川 利行の生き様も美しい。

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(takezo)