なぜ今上海なのか −1 

TAKEZOです
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夕刻、長江・黃浦江あたり。泥の海のような河口。

この夏2回ほど上海に行く機会がありました。先ず直感的に印象づけられる事は都市に溢れる熱気です。欧米で生まれた市場原理主義が皮肉にも政治形態の異なる国で成長していく様子は奇異でさえあります。経済発展はまさしく極東に集中したかの感があります。欧米の経済的な危機感を併せて考えると中国の急速な発展は地球の回転軸をおおきく変えてしまったような気さえします。世界に起こっている、めまぐるしい政変と経済危機はかっての歴史的な経験則の時間ではおいつかない早さです。特に「上海」の発展は特異であるかも知れません。その立地は西から東に大陸を横断する長江の海域への入り口で、貿易・商業の立地に恵まれ発展してきました。黃浦江(湾)は海運の拠点となるばかりでなく肥沃な土地として食糧供給に適していました。「上海」という響きは僕にとっては特別な印象があります。近代史の中でこの都市ほど特殊な時間を持った都市は世界の中でも希有な存在でしょう。清朝の衰退とともに西欧の列強国の介入、土地の租借(租界の成立)、イギリスによってインドを経由してもたらされたアヘンの蔓延。そしてアヘン戦争から混乱が始まり日本の侵攻、第二次世界大戦の直前まで「魔都・上海」と言われた20世紀初頭の動乱期、そこに繰り広げられた人間の欲望のドラマは今となってはステレオタイプなイメージで郷愁とともに思い起こされるだけです。そのイメージは都心に散在して僅かに風景の一部として残っています。そんな残像を追いながら次回から描いてみたいと思います。

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THE BUNDから眺める浦東新区
 
 
 
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上海環球金融中心(森ビル)492mの眺め