ケセランパサラン  - フリッツ・ハンセン 正規代理店 / REPUBLIC OF FRITZ HANSEN STORE BLOG
インタビュー

ケセランパサラン 

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Takezoです。



もう一昔と言えるほど前の話になるが、不思議な話を聞いたことがあった。今はニューヨークで活躍されている建築家Mさんの若い頃の話だ。Mさんが美術館のプロジェクトに参加されていて私もときおり同室で仕事をしていたときに聞くとは無しに聞こえてきて興味をそそられたことを思い出す。徹夜の続くようなハードな仕事だったからふと耳にした雑談に安らぎを感じたのを良く覚えている。


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 "ケセランパサラン"と聞こえたのを鮮明に記憶している。その頃の建築系の学生の間でひそかに話題になっていた話のようだったが、北鎌倉駅のプラットホームの端を中心に辺り一帯に奇妙な浮遊体が飛ぶことがあると言う話だった。季節はちょうど今頃春めいたほんの一時の現象だという。いかにも幻想的な光景だろうと思うが十数年たったいまでも、まだ遭遇していない。見える人には見える、認識とはそういうことなのかもしれない。Mさんという人柄が分かるような気がしたものだ。


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その後何べんか5月のフランクフルトに行った事があって、マイン川の岸辺に停泊している船上レストランで陽光の中で無数に飛ぶ植物の種を目にした事がある。れっきとした植物種子という事だったが、なんの植物の名かはドイツ語で教えられたが覚えられなかった。晴れ上がった空いちめんをゆっくり流れていくさまは夢幻の世界だった。

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もうひとつの経験ははっきりと記憶している。TVの映像であったが、北京だったか初夏の街路樹からいっせいに親指の先ほどの白い綿毛のような種子が無数に飛んでいる光景だった。これは楊樹(ヤンシュ)とか柳絮(りゅうじょ)とよばれるもので風物詩となっているようだ。これは毛白楊とも言われてポプラと同じヤナギ科と知った。


なんだそうかマイン川の不思議な光景の正体はポプラだったのかと今頃得心した。ポプラの植生は北回帰線以北となっていてヨーロッパの都市景観には欠かせない樹木だ。


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ところでケセランパサランには諸説があってどれも定かな写真は無い。風評の域を出ないので余計に興味深くなるのだが柳絮やポプラの化身かもしれない。有益説ではおしろいの毒を食ってくれるとか、幸福をもたらすとかいわれていて、だからこそ秘密めくのだろう。建築家の卵たちがこのような呪文のような名前ををひそかに愛していたことが少年たちが空想を楽しんでいたようで今は懐かしい。



さて、原発の事故の行くへはたくさんの不安をまいている。ケセランパサランがこれから空中に飛散してきそうな放射能を残らず退治してくれると良いのだが。であれば正体を見せずとも歓迎されるはずである。もうじきその季節が来る。

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とてもすてきな情景ですね!春を感じる新しい感覚です。「ケセランバサラン」一度見てみたいものです。