【照明計画】心地よい空間のための、美しい灯りのつくり方 vol.2

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以前、照明計画の考え方につきブログにて3点ほどご紹介させていただきました。

 

※前回の記事:心地よい空間のための、美しい灯りのつくり方※

 

今回は照明計画についてその続きを少し、お話させていただきます。

 

 

 

 

【器具選定に至る手順】

照明器具を探すとき、器具のデザインを見て選定を進めることが多いと思います(どのデザインがその空間に合うか、どのデザインが好みか、という観点です)。

その選定基準は間違いではないのですが、照明計画全体から考えた場合、以下のような手順で器具選定を進めるとより一層空間に深みが増してまいります。

 

1.灯り(=器具)の場所・位置 → お部屋のどの位置・高さに灯りがあると良いか

2.その位置にある灯りの配光 → 上だけに光が出る or 下だけに光が出る or 全体に光が出る、など

3.上記の条件に適合する照明器具の中から、サイズ感・インテリアテイストを考慮し選定

 

照明器具は器具自体のデザインも大変重要ですが、そこから放たれる光の有り様が何よりもまず重要になってまいります(まずは「どこにどういう灯りが必要か」という「灯りありき」の発想が大事になってきます)。上記の1・2を飛ばし3から選定を始められる方も多いのですが、本来は1→2→3という順に進めていただくと、まとまりのある照明計画になってまいります。

 

 

前回のblogでもご紹介したイラスト。まずはそもそもお部屋のどこに灯りが必要か、から考えていきます。

 

 

1(灯りを置く位置)が決まりましたら、次は2(灯りの配光。上のイラストでは黄色で示されています)に移ります。上向きに光が強く出る器具の場合、天井面が照らされ、光がバウンスして空間に広がります。この場合、空間の高さが強調されます(実はデンマークではこのような「上向きのみに光が出る=アッパータイプ」の照明はあまり見られません)。下向きはテーブルの机上面や、ソファに座り読書する際の手元、また、デスクでお仕事や書き物をする際の手元を効率よく照らしてくれます。全体に出るタイプは空間にふわりと優しくなじみ、空間のコーナーに配置すれば光が壁面に反射し、柔らかな反射光が得られます。

 

 

照明器具別の配光図

 

 

このように、1・2の手順を踏むと、「そこにどういう灯りが必要か」が明確になりますので、そこまで来て初めて3(具体的な器具選定)に入っていきます。こうすることで全体的にメリハリのある空間となります。

 

 

まずは全体の光のバランスを考えていきます。その次に、具体的な器具選定に入ります。

 

 

 

【光の色について】

次に、照明に用いる電球の色によっても雰囲気が変わります。電球の色につきましては、色温度をあらわすK(ケルビン)という単位がございますので、そちらについてご説明いたします。

 

太陽光の日中の強い光はおおよそ5000ケルビン、キャンドルや日の出日の入りのオレンジ色の光は2000ケルビン程です。白熱電球は2700~2800ケルビン前後、蛍光灯などは4000ケルビンあり、数字が大きくなるにつれ青みを帯び白っぽい光となり、数字が低いと赤みを帯びてまいります。

 

 

 

 

人間は昔から、「日中は明るい太陽光を上から浴び、夕方になるにつれ低い位置にあるオレンジ色の夕日を眺める」というリズムで生活をしていました。そのため、白い光は人を活動的にさせ、一方でキャンドルなどのオレンジ色の光は人をリラックスした気持ちにさせてくれます。

そのため、くつろいだ空間を作る場合には、色温度の高くない電球色のものがお勧めです(最近は色温度を選べる照明器具もございます。例えば、ルイス・ポールセン社のPHアーティチョーク600でしたら3000Kもしくは2700Kが選択できます。3000Kはかなり白い光になりますので、一般的な住宅の場合でしたら2700K がお勧めです)。

 

 

照明でお部屋の雰囲気はかなり変わってまいります。具体的な器具選定の件はもちろん、照明の配置につきましてもどうぞご相談くださいませ。

 

 

 

 




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